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ハロプロ好きの雑記。
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ちゅっちゅしてるだけ。



「うーいー、これあげるっ」
お姉ちゃんは鞄から一握り飴玉を取り出して、私の手にそっと乗せるとにこりと微笑んだ。
「えっ、こんなにいっぱい? お姉ちゃん良いの?」
「これとっても美味しいから。…あ、ちゃんとあずにゃんにもあげるんだよ?」



――――――――――――



朝、お姉ちゃんと別れるときに貰った数個の飴玉。
教室に向かいながら一粒口に含むと爽やかなオレンジの味がした。

教室に着くなり、すぐに梓ちゃんを見つけた。まだ梓ちゃん以外誰もいない静かな教室に、綺麗な黒髪がきらきらしてる。

この頃、梓ちゃんを探すのがすっかり上手くなった。大好きだからかも、なんて。
梓ちゃんも私に気付いて、ひらひらと手を振って応えてくれた。

「おはよ、憂」
「おはよう、梓ちゃん」

鞄を置いて、早速梓ちゃんの隣の席に座った。
この席を借りるのはもう休み時間毎の日課みたいになっていて、ここの席の子にこの前ついに、笑いながら「私の席じゃなくて平沢さんの席みたいになってるよね」と言われてしまった。

「梓ちゃん、今日は早いんだね」
「うん。朝早く来て部室でギターの弦張り替えてたんだ」
「ふぅん…大変だね」
「ん。でも大事なことだから」

何よりもギターが大好きな梓ちゃんはとても眩しく映る。梓ちゃんのこういうところ、凄く憧れる。
生真面目で、しっかりしてて、練習熱心で。凄いなぁ。

「…憂、飴舐めてる?」
「うん。甘くて美味しいよ」
「珍しいね。朝から飴舐めるなんて」
「さっきお姉ちゃんに貰ったの」

梓ちゃんは意外そうな顔をする。

「…梓ちゃん?」
「いや…唯先輩が食べ物を人に分けるなんて、不思議な事もあるなぁって」
「あはは。ちょっと言い過ぎじゃないかな…」

私はポケットから余った飴玉を出して机の上に並べて見せた。
あと五つ。イチゴと、リンゴ、レモンに桃、それとぶどう。

「へぇ…。唯先輩にしては奮発したね。こんなにいっぱい」
「…もう。お姉ちゃん優しいんだよ?」

いじけて言うと梓ちゃんはご機嫌な笑顔になって、まあまあ、と宥めるような仕草をした。

「冗談だよ。唯先輩が優しいことも知ってる」
「それなら良いけど…。あっ、梓ちゃんもどうぞ」
「良いの? ありがと」
「好きなの選んでね。お姉ちゃんがあずにゃんにもって言ってたから」
「ん…憂は何味舐めてるの?」

私はそう聞かれて「オレンジだよ、ほら」と舌に舐めかけの飴玉を乗せてちらりと見せた。
それを見て梓ちゃんが眩しそうな顔をして、こう言った。

「じゃあそれにする」
「え? でもオレンジもう無い…」
「憂のそれが欲しい」

驚く程近くで声が聞こえたと思ったら、梓ちゃんにいきなり唇を塞がれた。突然の事で抵抗も出来ずにされるがままの私。

「ん…」

押しつけるだけの優しいキス。
しかしこれだけかと油断していた私の唇を割って舌が口内に入り込んでくる。

「ん…ふ、っ…」

ギターを弾く指先に劣らず器用な舌は暫く口内を動き回る。
そして最後に飴玉を探り当てて、器用に絡め取って拐っていった。

……飴、取られちゃった。

「ごちそうさま」
「…ぁ……」

唇が離れ、見えた梓ちゃんの顔は悪戯をした子供みたいで。
でもすっかり体の力が抜けてしまった私はそんな梓ちゃんを見ても何も言い返せずに、ただ机に突っ伏してだらりと体重を預けるしか無かった。

「ずるいよー……」

呟いて見上げると梓ちゃんの顔がまた近付いてきて、今度は頬にキスをくれた。

「憂がそんなふうだから悪いんだよ」

狡い、なんて言葉には全然構わない様子の梓ちゃんに耳元で熱っぽい声で囁かれて、私はふるっと体を震わせた。
私が何も言えなくなるのを知っててこういう事を言う梓ちゃんは本当に狡い。

「唯先輩には後でお礼言わなきゃね」
「…どうして?」

「憂。おかわりしていい?」

どうして、という私の問い掛けにも答えずに笑ってそう言う梓ちゃんに、観念した私は“駄目な訳無いでしょ”と心の中で呟いて、そっと瞼を閉じた。
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