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ハロプロ好きの雑記。
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あずにゃんは昼間は憂をギターを弾いて喜ばせますが、夜は憂を性的な意味で弾いて喜ばせるそうです。わたしの頭の中の話ですが。

あずにゃんがギター好きなのは分かってるし、いつも我慢してるんだけど、でも本当はもっとずっと自分を触ってて欲しいって思ってる憂。
そして憂にベタ惚れなあずにゃんとか書きたいなあ、、って思ってたらできあがった感じです。


良い子で真面目な二人なので、何かを間違えたらとことん二人で堕ちていきそうな気がします。




言ってみるのなら、きっとそれは現実に降り立つような。
ぱちん、という音がして、意識が戻ってくる。夢からの回帰。目覚め。
何となく指先がくすぐったくて、それにあったかくて、戻ってくる意識の中で重たい瞼をゆっくりと持ち上げてみると、瞳が捉えたのは赤茶色の髪の色をした頭。

…………何やってるんだろ。



「…憂………?」

まだはっきりとは覚醒していなくて、未だにぼんやりとする。そんな中で大切な恋人の名前を呼ぶと、憂が顔を上げて、屈託の無い笑顔を見せた。

「………起こしちゃった?」

さっきから続いていた指のくすぐったさが無くなったのでどうやら原因は憂が何かごそごそしていたから、指のあたたかさは憂が指を握ってたから。私の脳はきちんと判断はしたものの、それ以上は考えが及ぶ事は無かった。

「…いま、なんじ……?」
「…えっと、4時半くらいかな」

4時半、と具体的な時間を聞いてまた更に眠気は強くなった。
まだ起きるには充分早すぎる時間。憂の温もりを感じたからかまた瞼が重たくなってきた。ふわふわと浮遊し始めた意識を手放す事が今の私には何より重要だったみたいだ。

明日は……というか今日はムギ先輩の親戚の人のライブハウスで演奏させて貰えることになっている。せっかくの貴重な体験なのだから、万全の体調で行かないと。寝不足なんてもってのほかだ。先輩たちに迷惑は掛けられないし。


「…寝るね……」
「うん。おやすみなさい」

事後だからか、単に夜明け前だからか。
体を襲う強い倦怠感には逆らえるはずもなく、ひらひらと手を振る可愛らしい憂の笑顔を手土産に、眠りの世界に旅立とうとまた瞼を閉じた。
意識はどんどんと浮いて、まるでそれはぬるま湯に浸かっているかのような心地よい微睡みに包まれる。


……指先に憂の体温を感じたまま、私は完全に眠りに…………



つけなかった。

私の指を憂の髪が撫でて、くすぐったくて眠るにも眠れない。
仕方無く目を開けると、今度は不思議そうに私の顔を見る憂と視線がかち合った。


「……憂」
「あれ、寝てていいのに」
「私も出来ればそうしたいんだけど………どうしたの、さっきから」

しかし憂は幸せそうに微笑むだけで何も言わなかった。

「………憂?」
「何でもない。…ねえ、梓ちゃんは寝ないの?」

だからなんでそんなに嬉しそうなんだろう。
私は眠くて仕方ないのに、どこか腑に落ちない。


納得出来ずに心が落ち着かないままで意識は覚醒してしまった。
仕方ないのでただぼうっと憂を眺めるだけだった。
何故か物凄くご機嫌な様子。鼻唄でも歌い出しそうな勢い。
憂はどうやら先程から私の指を握り続けて、さらには手に擦り寄ったりだとか、匂いをくんくんと嗅いでみたり、そんな事ばかりしている。

………可愛いなぁ、本当に。

重たい手を持ち上げて、憂の頭を優しく撫でてみると、憂は気持ち良さそうに頬擦りした。


「…えへへ……」

本当に、犬でも扱っているようだ。
憂は嬉しそうだし、私も楽しいし、まぁ良いんじゃないかとか。
目が覚めて、まず憂と戯れる事が出来たなんて、もしかしたら幸せ過ぎるくらいに幸せなんじゃないかとか。
そんな事を考えていると、指に顔が寄せられて、そこで大きく息を吸われた。

「……な、何してるの」

ああ、さっきのくすぐったさの理由が分かった。こうして憂が指に顔を寄せていたから、きっと髪が肌をくすぐったのか。


しかし―――流石に気恥ずかしい。
しかし憂は悪びれる事なく、やっぱり笑顔のまま返してくる。

「…梓ちゃんの指は、やっぱり梓ちゃんの匂いがするなあって」

「………え?」


それから握っていた私の指を、あろうことか口に含んだ。

「…う、憂っ……!?」

上目遣いで、指をちゅうちゅうと吸われて、それから舌を一回這わされた後で、憂はようやく私の人差し指を口から出した、それなのに指は離さないままで、一体何のつもりなんだろう…と思ったら、やっぱり笑顔で、今度はこんな事を言い出した。

「…梓ちゃんの味がする」

体感温度の上昇。
私と憂は事後そのまま眠りについていて、白いシーツの下は勿論何も纏わない姿だったので流石に肌寒かったのだけれど、それも今では暑いくらいだった。
それなのに憂は私の指を握ったまま、梓ちゃんあったかい、なんて言い出す。
なんだか……唯先輩に似てる。
それでもこんなに心臓が暴れまわるのは相手が憂だからか。


…破壊力満点。
憂は無邪気に戯れているだけなのかも知れないけど、この状況は色々とよろしくないと思う。
だって、憂も私も何にも着てないのだから、それはもう誘惑が多すぎる。
もうこのまま誘惑に乗せられて襲ってしまうというのも、それは物凄く魅惑的な案で、私はついうっかりその案を採用してしまいそうになる。
だけど憂は相も変わらずへら、と笑うだけで、それにこんなにも幸せそうにしているし、それを襲ってしまうのも何故かとても悪い気がするからどうにか踏み止められていられた。


「…だいすき、梓ちゃんー…」
「…ーっ、………」

普段とは全く違う蕩けるくらいに甘えた声は、また私の体感温度を上げる。

………耐えられない、これは。
昨日の夜にあれだけ重なったのに、また求めてやまないなんて私って奴は。
暫く戯れという名の愛撫を受けていると、一つの質問が頭を過る。


「なんで、そんなに、…甘えてるの。…指ばっかりだし……」

憂はどうして私の指にこんなに?
質問したら駄目な気もしたけれど、聞かないと駄目な気もした。
瞬間、幸せそうだった憂の笑顔が陰ったように見えた。


「………憂…?」

心配になって私は憂の名前を呼んだ。
憂は暫く黙っていたが、やがて私にきゅっとしがみつくと重い口を開いた。


「…昨日はこの指で私に触ってくれたけど、朝になったら、梓ちゃんはこの指でギター触るでしょ?」


さっきとは180度違う憂の微笑み。


「明日、私はお留守番だもん。もしかしたら、ギターに嫉妬…してるのかも」

憂はそう言って自嘲し、おかしいよね、とまた繰り返した。

「梓ちゃん…それにお姉ちゃんもそう。ギターばっかり弾いてるから。…私もギターになれたら梓ちゃんにずっと弾いてて貰えるのかな…」


質の悪い冗談なのかそうでないのか分からずに、何も言えなくなった私の指を、憂はまだ握ったままだった。

「明日、がんばってね」
「…うん。頑張る」
「…なるべく早く迎えにきてね」
「………うん。早く迎えにくるよ。そしたら…、一緒に出掛けよう。二人で」
「本当? 楽しみにしてるね」

嬉しい、と言って憂はふわりと笑った。

ギターと憂を一緒には出来ない。
そうやって今まで思っていたのだけど。


今は憂が可愛くて仕方なくて、
明日のライブなんてどうでも良いと…一瞬だけ、思ってしまった。







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