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ハロプロ好きの雑記。
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アンケート結果で上位だった律梓。
生意気だけどお子ちゃまな梓と、我が儘に仕方ないなあと思いつつ付き合うりっちゃんだったらかわいい、という私の律梓観です。
もう書かないだろう律梓。

音楽室に二人きり。

「…もう、いやです…、っ、……嫌っ」

普段の強気な態度とはうって変わって、あまり見ない涙を堪えた顔。
生意気な後輩は小さな拳を握り締め、潤んだ瞳でこちらを睨み付けて私の前に立っている。
しかし迫力に欠ける。泣きそうな目で睨まれても何も怖くないぞ。

…………溜め息をついた。

ほんの些細なことが切欠だった。
…ただ、私が昨日の帰りの澪の話をしていたら梓が急に。全然そんなつもりは無かったのに浮気だとかもう別れましょうとかぐずぐず言い始めたから。
普段なら後輩のくせにどこまでも生意気な梓に好きなだけ言われて、私も確かに反論はしたくなるけどまあいつものことだし仕方ないなと思いつつ大人の対応で流していたのだけど、今日はさすがに梓の言葉がキツかった。梓のくせに、「澪先輩の体の方が女らしいですからね。私がどう頑張っても律先輩はどうせ物足りないって思ってるんでしょう。私の体が女らしくないから」とか訳の分からない事を言うから。
梓が私を軽い奴だって、体で選んだりしてると思ってるのが悔しくて、ついかっとなって、……強行手段。うるさいその唇を強引に塞いでやった。それだけだった。

そしたらこいつ、びっくりしやがって。

「全く…これで懲りたか。調子に乗りすぎだぞ」
「………っ」
「キスでびっくりしてるような奴が、物足りないとか体とか女らしいとか…変な事言うんじゃねーよ」

俯いた梓に話しかけながら思う。本当に調子に乗りすぎたのは自分の方じゃないか。いつの間にか梓は泣きそうだし、私はただ澪の話をちょっとしただけなのに。なのに。生意気だけど可愛い後輩をここまでさせてしまった。

「背伸びしてそんな事言ったってなぁ、お前、可愛くないぞ」
「…………」

可愛くないぞ、はさすがに良くなかったかも知れない。そして案の定、暫くしてすすり泣きが聞こえてくる。
相変わらず梓は俯いたまま。表情を計り知る事が出来ない。

「今度は泣き真似か?」

こんな事言ったって本当はわかってる。
こいつ、泣き真似なんかじゃない。泣いてる。
……ああもう。なんでこんなに後味悪いんだろう。悪いことしたつもりはない。言い過ぎた梓が悪いのに、私はただ黙らせただけなのに。それなのになんで私が悪いみたいになってるんだよ。
もう限界だった。

「あ…梓、………ごめん」

梓の頭を撫でる。
やっぱり顔は見えない。しかししゃくりあげているのが耳に入ってくる。
「びっくり…させちゃったな。悪い」

小さな肩に手を置いた瞬間、梓は声を上げて泣き出す。

「……っく、…、み…澪、先輩にっ、…取られる…と、おも…って…!」

梓は負けたくなかったんです、ごめんなさいとしゃくりあげながら言った。
………なんつーか、可愛い。
最初からそうやって言えば良いのに。
そしたら生意気だなんて思わないのに。
顔を上げた梓。泣いた後特有の腫れぼったい目でやっぱりこちらを睨んでいた。そしてごしごしと涙を腕で拭ったと思ったらそこにはいつもの梓の顔。
……ああくそ、本当に生意気。だけどやっぱり安心する。この顔。

「まだ拗ねてんのか?」
「……別にそんなんじゃないです」
「なあ、梓」
「何です?」
「私は梓にあんな事言って欲しくなかっただけなんだ」
「………」
「背伸びなんかしなくたって、私はそのままの梓が好きだからな」
「…何かっこつけてるんですか」
「ちげーし。本当の事だ」

梓は私の顔をじっと見ていたがやがて、ぽつりと呟いた。

「………じゃあ、そうやって思うことにしますね」

言ったかと思うと梓が飛びこんできて、私は反射的に梓を抱きとめる。
私よりも少しだけ小さな体をぎゅーっとしてやると梓は何故か自信満々に言う。

「私、澪先輩に勝ちました」
「…はぁ? まだそんな事言うのか」
「だって律先輩は澪先輩より小さいから、こうやって私みたいに澪先輩を上手に抱きしめることはできませんから」

滅茶苦茶すぎて呆気に取られた。
……それじゃあ、私がただ馬鹿にされた上、全然道理に叶ってないだろうが。

「滅茶苦茶だな…」
「…滅茶苦茶ですね」

なんだ、お前。自覚あったのかよ。
ため息をつく。そして暫く、どうすれば梓の発言の道理が叶うかどうかを考えて、私はこう言ってやった。

「じゃあ、こうしたらどうだ?」
「……?」
「私は何があっても梓だけを抱きしめてやる。大きくても小さくても梓しか抱きしめない。これで良いだろ」

梓はきゅっと私の制服を握り締め、言った。

「当たり前です。それが普通ですから」
「可愛くないな…」

梓はそうですか、どうせ可愛くないですよ、とまた悪態をつく。きっとまた澪の名前が出て、また同じことを繰り返すのだろう。

生意気で可愛くない、本当に仕方のない後輩。
だけどそんな奴にこんなに首ったけな自分も本当に仕方ない奴だと思った。
でもそんなのあまり認めたくないから、全部梓のせいにする。

私をこんなに夢中にさせるなんて、梓。お前生意気だぞ。

耳元で囁くと、梓は嬉しそうに小さく微笑んだ。


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