ハロプロ好きの雑記。
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律澪。最初の頃に書いたもの。
みんなとの帰り道。
律から、とても甘い香りがした。
「律、何か食べてるのか? 甘い匂いがする」
聞いてみると律は頷いて、嬉しそうににかっと笑った。
「…いちごミルク飴。うまいぞ」
ほら、と言って律が大きく口を開けたので汚いぞなんて言いながら覗いてみると、舌の上には三角のピンク色の飴。
「あー、おいしーよね! 中のサクサクしたところ!」
「おお、唯も分かるかー」
ああ、懐かしい。
ずっとずっと小さい頃、男の子にからかわれてなかなか泣き止まない私に、律がいちごミルク飴をくれたことがあった。
―――律はまだ覚えてるだろうか。
「そういえば、昔、律に貰ったことがあったよ。懐かしい」
「そうだったっけ? 全然覚えてない」
「………うん」
なんというか、残念…、いやでもどうせこんなことだとは思ってたけれど。
「…私がクラスの男の子にからかわれて泣いてて、そしたら律が、追い払ってくれたんだ………」
――――――――――
「…ひぅ、ぐす………」
くやしい。だけど、どうしても、「やめてよ」の一言がいえない。
突き飛ばされるととてもいたいし、だからもっとこわくなる。
「みおちゃん、」
とつぜん後ろからなまえを呼ばれて、思わずびくっとなった。
「そんなにびっくりしなくても、もう大丈夫だよ」
やさしい声だった。だからわたしは安心して後ろをふり向くことができた。
「…りっちゃん」
りっちゃんはほっぺたにばんそうこうを貼っていた。男の子たちをやっつけてくれたんだ。
「もう大丈夫。おいはらってやったからな。…先生にはおこられたけど」
「わたしのせいで、ごめんね」
「みおちゃんのせいじゃないよ」
りっちゃんは笑っていたけど、ほっぺたのばんそうこうが気になる。
わたしは泣きながらりっちゃんのほっぺたに優しくさわって謝った。
「りっちゃん、ここ…。痛い? ……ごめんね」
「だからみおちゃんのせいじゃないって。平気だよ、大丈夫」
わたしはりっちゃんが大好き。この世界中のだれよりもりっちゃんが大好きだ。りっちゃんの顔を見て、本当にそう思った。
「あ。そうだ! みおちゃん、これあげるよ」
そう言ってりっちゃんがポケットから出したのは、いちごミルクの飴だった。
「…でもこれ、りっちゃんの」
「いいのいいの。みおちゃんに食べてほしいからあげるんだよ」
りっちゃんに悪いよ、って遠慮したけど、りっちゃんは「みおちゃんが泣いてるほうが嫌」って言ってきかなかった。
りっちゃんに言われるままに泣きながら飴を口に入れた。
りっちゃんはわたしが食べるのを嬉しそうに見ていたけど、その時わたしは気づいてしまった。
からかわれて泣いちゃったわたしだけが飴を食べられて、がんばったりっちゃんが食べられない。
「…ごめんね、りっちゃん……うぅ」
「お、おい! 泣くなよ!」
――――――――――
「あー、思い出した。確かそんなこともあったなー」
「本当に昔から仲が良かったんですね」
「素敵ね、そういうのって」
「りっちゃんかっこいい!」
「へへ、そうだろー?」
口々に感想を述べるみんなと、照れ臭そうな律。
昔に比べたら守って貰う事も少なくなったし、律が怪我をする事はないし、律に泣きながら謝る事もない。
いろいろ変わってしまったけど、それでも私は律が大好きだ。世界中の誰よりも好きだ。これだけは変わらない。
「そうそう、それで澪ってばさー、私ばっかり良い思いしたらりっちゃん可哀想とか言って泣き出したと思ったらさ、いきなり私に口移しで飴渡してきたんだよ」
「…そ、そんな事、したっけ………?」
「おう。こんな風にな」
そう言って律は私の頭をぐいっと引き寄せると、口移しで飴を渡してきた。
先輩たち自重してください!とかキマシタワー!とか妬けますなーとか聞こえてきたがもう諦めることにする。
あの時と同じ笑顔で私を見る律を見たら、もういちごミルクの飴よりも甘い気持ちが溢れてきて仕方ないのだ。
律から、とても甘い香りがした。
「律、何か食べてるのか? 甘い匂いがする」
聞いてみると律は頷いて、嬉しそうににかっと笑った。
「…いちごミルク飴。うまいぞ」
ほら、と言って律が大きく口を開けたので汚いぞなんて言いながら覗いてみると、舌の上には三角のピンク色の飴。
「あー、おいしーよね! 中のサクサクしたところ!」
「おお、唯も分かるかー」
ああ、懐かしい。
ずっとずっと小さい頃、男の子にからかわれてなかなか泣き止まない私に、律がいちごミルク飴をくれたことがあった。
―――律はまだ覚えてるだろうか。
「そういえば、昔、律に貰ったことがあったよ。懐かしい」
「そうだったっけ? 全然覚えてない」
「………うん」
なんというか、残念…、いやでもどうせこんなことだとは思ってたけれど。
「…私がクラスの男の子にからかわれて泣いてて、そしたら律が、追い払ってくれたんだ………」
――――――――――
「…ひぅ、ぐす………」
くやしい。だけど、どうしても、「やめてよ」の一言がいえない。
突き飛ばされるととてもいたいし、だからもっとこわくなる。
「みおちゃん、」
とつぜん後ろからなまえを呼ばれて、思わずびくっとなった。
「そんなにびっくりしなくても、もう大丈夫だよ」
やさしい声だった。だからわたしは安心して後ろをふり向くことができた。
「…りっちゃん」
りっちゃんはほっぺたにばんそうこうを貼っていた。男の子たちをやっつけてくれたんだ。
「もう大丈夫。おいはらってやったからな。…先生にはおこられたけど」
「わたしのせいで、ごめんね」
「みおちゃんのせいじゃないよ」
りっちゃんは笑っていたけど、ほっぺたのばんそうこうが気になる。
わたしは泣きながらりっちゃんのほっぺたに優しくさわって謝った。
「りっちゃん、ここ…。痛い? ……ごめんね」
「だからみおちゃんのせいじゃないって。平気だよ、大丈夫」
わたしはりっちゃんが大好き。この世界中のだれよりもりっちゃんが大好きだ。りっちゃんの顔を見て、本当にそう思った。
「あ。そうだ! みおちゃん、これあげるよ」
そう言ってりっちゃんがポケットから出したのは、いちごミルクの飴だった。
「…でもこれ、りっちゃんの」
「いいのいいの。みおちゃんに食べてほしいからあげるんだよ」
りっちゃんに悪いよ、って遠慮したけど、りっちゃんは「みおちゃんが泣いてるほうが嫌」って言ってきかなかった。
りっちゃんに言われるままに泣きながら飴を口に入れた。
りっちゃんはわたしが食べるのを嬉しそうに見ていたけど、その時わたしは気づいてしまった。
からかわれて泣いちゃったわたしだけが飴を食べられて、がんばったりっちゃんが食べられない。
「…ごめんね、りっちゃん……うぅ」
「お、おい! 泣くなよ!」
――――――――――
「あー、思い出した。確かそんなこともあったなー」
「本当に昔から仲が良かったんですね」
「素敵ね、そういうのって」
「りっちゃんかっこいい!」
「へへ、そうだろー?」
口々に感想を述べるみんなと、照れ臭そうな律。
昔に比べたら守って貰う事も少なくなったし、律が怪我をする事はないし、律に泣きながら謝る事もない。
いろいろ変わってしまったけど、それでも私は律が大好きだ。世界中の誰よりも好きだ。これだけは変わらない。
「そうそう、それで澪ってばさー、私ばっかり良い思いしたらりっちゃん可哀想とか言って泣き出したと思ったらさ、いきなり私に口移しで飴渡してきたんだよ」
「…そ、そんな事、したっけ………?」
「おう。こんな風にな」
そう言って律は私の頭をぐいっと引き寄せると、口移しで飴を渡してきた。
先輩たち自重してください!とかキマシタワー!とか妬けますなーとか聞こえてきたがもう諦めることにする。
あの時と同じ笑顔で私を見る律を見たら、もういちごミルクの飴よりも甘い気持ちが溢れてきて仕方ないのだ。
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