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ハロプロ好きの雑記。
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最近やたら大人びてきたかわ唯先輩が愛しい。




「その本面白いー?」

それまで何も言わなかった唯がとうとう放置プレイに耐えかね、本を読んでいる私に近付いてきてごろんと体重を預けてきたところで話し掛けてきた。

「まあまあね」

私の返答に唯は特にコメントはないらしく「…ふぅん」とだけ唸った。
別に何かが気に障る事もない。
唯の事はよく分かっているし、唯は私と…というか人とくっついているのが好きだし、私のまあまあ、という感想に対して唯が出来るコメントなんか、まあまあって何、くらいしか無いだろう。
そこを唯は唸るだけで止めた。という事は唯はつまり私の読書を邪魔したくないということ。
私も本へと意識を戻して、また新しいページを捲る。

やっぱりこうしている時が一番落ち着く気がする。唯と二人でゆっくりしている時間が一番好きだ。出来ればずっとこうしていたい。
昔からこうしてまとわりついてくる唯が可愛かった。昔なんかは憂も憂で寂しがり屋で、私に引っ付いてくる唯を見てわたしもとばかりにくっついてきたっけ。
そんな憂も今は同じクラスの子に夢中らしい。何でも軽音部の後輩で確か名前は中野梓ちゃん。生真面目でギターが凄く上手いらしく、おまけに可愛い。
唯もよくその子の話をするから、あまり話したことは無いけれどよく知っている。

それにしても憂は私から段々離れていっても、相変わらず唯は昔のままだ。
昔を思い起こしてふと、隣の唯に目をやると案の定眠っている。
こういうところ、本当に昔から変わらない。

「………唯」

何となく名前を呼んでみる。
すると、唯はすぐにぱちりと目を開けて私の顔を見上げた。どうやら狸寝入りだったらしい。何だかなあ。
溜め息をつくしかない私を差し置いて唯は何だかとても幸せそうで、目を細め、首を傾けて私の肩に頭を乗せた。

「のどかちゃん」

甘えるように私を呼んだ。

「どうしたの?」
「えへへ、えっとねー…」

唯は何やら暫くもじもじしていたけれど、何かを決めたようで、私の正面まで体を移動した。

「和ちゃん…」

媚びるような、何かをねだるような声。
ここに来て、唯が何をしたいかを理解することが出来た。この世で親の次に最も長く一緒に歩いてきた仲だから、唯の事は大抵分かる。私は唯のその意図をすぐに掴むことが出来る。
そして案の定唯はゆっくりと瞼を閉じて、それから、少し顎を出すようにして顔を私の方へ近づけてくる。
意地悪のつもりで私が何もしないと、唯は目を薄く開けて催促する。
仕方ないなあと思いつつ、それでも私も嫌な訳ではなく寧ろ自分の意思で、柔らかな頬に手を添えて、唯の唇に自分のそれを押し当てた。

唇を離すと嬉しそうに微笑む唯と視線がばっちり合う。そして緩みっぱなしの顔で何を言うかと思えば、

「和ちゃんとちゅーするの、大好き!」

思わず溜め息。やっぱり昔のままだ。
出会った頃からずっとそうだ。唯は事あるごとに私にキスをせがんだ。
そういえば、私のファーストキスの相手も唯だった。確か幼稚園の頃。
その頃の唯には癖があって、何でもかんでも口に入れてしまっていた。それを当時の私が咎めると、何を思ったか唯は私にキスした。当時の私は酷くびっくりした。
そんな私に唯は言った。

“もうなにもたべないから、かわりにのどかちゃんにちゅーする”…。

あの台詞は一生忘れられない。
…こう、衝撃的過ぎたし、何よりもこれからの未来を暗示する台詞。現にこうして今も私は唯とキスしている。そして私も嫌な訳じゃない。寧ろ心地良いとすら感じてしまっている。

あの台詞を言ったときの唯の顔と今の唯の顔は丁度重なるものがある。
しかしそんな唯の表情で今と昔と違うのは、頬の上気具合と瞳の潤み具合。
随分色っぽい。いつの間にこんな顔するようになったんだろう。…それだけ、私も唯も大人になったという事か。

これからも、…大学生になっても社会人になっても、歳を取っても唯は私とキスするのだろうか。いつまでも変わらない唯でいてくれるのだろうか。
そう考えると少し寂しい。卒業…とか。
きっと唯と私は離ればなれになるし、そうしたら唯は…私は、変わらずにいられる保証なんてない。唯も、例えば憂のように変わってしまうんじゃないか。

出来れば時間が巻き戻るか、唯と私だけ時間が止まったりすれば良いのに。


「…唯は、いつまで私とキスするつもりなの?」

私が口を開くのと同時に、唯はぎゅうっと私の体にしがみついた。

「なんで?」

なんでって、憂はもう私とキスしないわよ。言うと、唯はこう返した。

「憂はあずにゃんだもん。澪ちゃんはりっちゃんでしょ? …で、私は和ちゃん」
「どういう意味?」
「和ちゃん大好き…」
「私も唯は好きよ」
「……そうじゃないもん。和ちゃんは分かってないよ」

唯はそう言うと、体を離して私と向き合った。
そして、さっきまでのふわふわな笑顔では無くて、…ライブの時みたいな、真剣な顔つきで言う。

「私は…ずうっと前から、幼馴染みとしてじゃなくて和ちゃんが大好き。でも和ちゃんは全然分かってない!」

「…唯」
「分かって欲しいけど、多分和ちゃんはもうずっと分かってくれないもん。今まで分かって貰えなかったように」
「……」
「…だからもう良いの。和ちゃんはどうせ分かってくれないから」


呆然。
告白されたとかそういう事以前に、唯がここまで言うようになったなんて。
本当に…いつの間にこんなに大人になったんだろう。
いつの間にか大人の感情を私に向けて、そしてこんなにも自分の意見を言えるようになって。

もしかしたら変わらないままだったのは…子供のままだったのは、実は唯じゃなくて私の方だったのかもしれない。

…いや、そうだ。私の方だった。


唯はそこまで言うと、未だ呆然としている私にケーキ用意するね、と言い、逃げるようにして立ち上がった。
しかし私はそれを許さず、ゆい、と名前を呼んでから唯の腕を掴み、自分の許へと引っ張った。

せっかく子供のままなんだから、だったら開き直ってしまえ。

どさっ、と音を立て、唯は私の腕の中に崩れ落ちる。
唯はひっ、と小さく悲鳴を上げた。
びくびくしながら私の名前を呼ぶ。

「のどかちゃん…?」
「唯…さっきから黙って聞いてれば酷い言い様じゃない?」
「ご、ごめんなさい…」
「あれだけ言ったんだから…かわりに私のわがままも聞いてくれるわよね」
「へ…あ、うん。な、なに…?」

びくびくしながら私のわがままを問う唯の目を見て、私は言った。

「これからも私にキスして欲しい」

身を捩り私の顔を見上げる形にして、明らかに動揺して唯は聞き返してくる。

「えっ、どういうこと…?」
「私にしかキスしちゃ駄目よ。勿論憂にも。頬っぺたにも駄目」

嫌な訳じゃない。…寧ろ心地良いのだ。
唯が私に抱いている感情云々よりも私はただ、いつまでも可愛い唯でいて欲しい。
大学生になっても社会人になっても、そして歳を取っても唯は唯のままでいて欲しかった。
つまりこのまま大人になっていく唯を、いつかは知らない誰かとキスする唯を、そして知らない誰かに抱かれる唯を見たくないのだ。
それがいつまでも変わらないままだった私のわがままだった。
他でもない唯が誰かに大人にされてしまうのなら、私は唯を縛り付けておきたいと思った。唯には断る理由なんか無いはず。だから良い。

「うん…、和ちゃんは良いの?」
「良いって?」
「だって私…、」

どうせ私はダメな子だから、とか何とか言うに違いない。
でも私はそういう唯が好きだから、そんな言葉を遮るようにキスをした。

「あ、ぇ…」
「何今更照れてるのよ。和ちゃんとキスするのが大好きなんでしょ?」
「うぅ…」

ひどいよ和ちゃん、なんて、顔を真っ赤にしながら言う唯は少し大人びながらもやっぱり昔から変わらないと思った。

でもそんな唯だからこそ、今日もこうしてこんなにも魅力的に映るんだろう。
ドジで天然で、おっちょこちょいなのだけど、それでも私の心の拠り所。

憂は離れていってしまっても、唯だけは離さないでいたい。


「…唯。この間の、上手だったわよ」
「本当!? 和ちゃんに褒められたぁ」
「でも何言ってるか聞き取れなかったわね。最後の“大好きをありがとう”しか」
「それで上手だったって言うんだ…」
「じゃあ、“ふわふわ時間”だった? あれ歌ってくれない?」
「ん、いいよ。…きみをみてるとー…」

澄んだ歌声、
唯が微笑みながら見上げてくる。私も微笑み返し、その柔らかな髪を撫でた。








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