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ハロプロ好きの雑記。
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ついった発。





愛が足りない。

甘い咳止めシロップをどれだけ舐めても、空っぽになった心は満たされそうになかった。

もう一度だけシロップを舐めてから、"トモダチ"の輪から憂を連れ出して、生物化学準備室までやって来た。



ムードの欠片も無い。
憂を押し倒したのは作業台の上。
古くなった木製のそれは若干埃が被っていて、彼女は制服が汚れちゃう、と漏らした。

錆びたステンレス製の流しは緩くなった蛇口が雫を漏らす度にバタバタと音を鳴らす。薬品の匂いがする。ホルマリンに漬けられた何かが入った瓶が棚にいくつも並べられていた。


人体模型が、憂の上に覆い被さった私をその瞳に映していた。
憐れむような表情。
内臓ひとつひとつのパーツが、私をそういう風に見ているように感じられて、じりりと心の奥が焦げたようだった。

「憂、」

私が吐きだした愛しい人の名前は、薬品の匂いがする空気を頼りなさげに震わせた。

「なあに、梓ちゃん」

憂は笑って答えてくれた。
先程まで感じていた愛情の受容不足については改善されそうだった。

どんな咳止めシロップよりも、彼女の声は甘くて、心を震わせて、傷つけた。

「憂が好き」

どんな甘い咳止めシロップよりも憂が好きだよと、私に咳止めシロップを渡した本人に告白した。
依存するのはシロップだけにしようと思っていたのに。
気付けば憂にも依存していた。


愛が足りない。

ぽっかり心に穴が開いていた。
足りない分を憂で埋め尽くしたい。
咳止めシロップを欲しがる喉は燃えるように熱かったけれど、いま私の頭が求めている物はシロップじゃなくて憂だった。

欲望のままに憂の首筋に口付けた私を、人体模型が憐れむような目で見ている。


模型から心臓のパーツを取り出して、憂に握らせた。

すき、すき、憂がすきだよ。
私もすきだよ、梓ちゃん。

そうやって囁き合うだけで、私はとても幸せだった。


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